清荒神清澄寺・史料館で9月28日まで 前衛書「森田子龍―心の書―」展開催中

清荒神清澄寺・史料館で9月28日まで 前衛書「森田子龍―心の書―」展開催中

8月は暦のうえでは残暑ですが、真夏の日差しがここ清荒神清澄寺の境内にも照りつけます。西の谷を風が渡ると、一服の清涼剤となってひととき、身体も心も生き返らせてくれます。7月に続き境内にある史料館では、兵庫県が生んだ前衛書の大家・森田子龍の書展が開催されています。

 兵庫県豊岡市出身の森田子龍は同じく兵庫県吉川出身の書家・上田桑鳩に若い頃師事し、その後東京に出て、昭和22年、35歳で書道芸術院を創設しますが、4年後には脱退。40歳の時に過去の因襲を打破し、書の原点に立ち返るべく、井上有一や江口草玄らと「墨人会」を結成、雑誌「墨人」を創刊しました。
 抽象画家とも交わり、海外で展覧会を開き、日本の前衛書が世界に認められるきっかけを作りました。見事に文字の意味と形態が一体化した彼の「墨象」は世界的な評価を得、前衛書の地位を確立することになります。
 展示会場で圧倒的な存在感を示しているのは、黒字に金泥で描かれた二曲屏風「忍字」。抽象画の様にも見える文字は、観る者に文字の形の美しさを改めて感じさせてくれます。「忍字」の周りには「渓」「泉」「願」「夢」が配され、見事な書の空間を作っています。
 屏風と向き合うように展示されているのは濃墨が力強い作品「蓬莱庫」。仏画や子龍作品収納のために建てられた収蔵庫「蓬莱庫」の石碑の標柱原書です。
 子龍は文人画家ですぐれた書家でもあった富岡鉄斎の作品研究のため度々清荒神を訪れ、先々代法主光淨和上とも親交を持ち、鉄斎美術館の扁額「聖光殿」と門標を揮毫するなど多くの作品を遺しています。
 平成10年(1998)12月に83歳でこの世を去りますが、墨による造形の美「墨象」の世界を作り上げた書家として書の歴史に名を遺しました。森田子龍の「心の書」を間近に観ることができ、身近に感じることができる展示になっています。









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