清荒神清澄寺山内にある茶室「春光庵」の茶道具 「巧みの茶道具―春光庵茶具の内―」史料館で開催中

  清荒神清澄寺山内にある茶室「春光庵」の茶道具 「巧みの茶道具―春光庵茶具の内―」史料館で開催中

 4月1日から開催されている史料館の展示は「巧みの茶道具―春光庵茶具の内―」。千利休が求めた「侘茶」の世界を垣間見ることができる桃山から江戸初期にかけての茶道具やその写しを間近で観ることができます。4月8日には境内で恒例の春の茶会が開かれ、参詣者は桜とともに野点を楽しみました。

 史料館では、清荒神清澄寺山内にある茶室「春光庵」の格調高い茶道具が展示されています。この茶室は文人画家・富岡鉄斎の作品を蒐集し、「宗美一体」を唱えた37世法主光浄和上が、鉄斎翁を招くために大正12年に創建し、鉄斎夫人の「春子」と「光浄」から一字ずつをとって命名されました。茶室は五十数年後に改修されましたが、鉄斎が揮毫した扁額は今も当時のまま掛けられています。

 茶道具の中でも桃山から江戸初期にかけての「古伊賀水指」は、ビードロ釉という自然釉薬が美しい緑色を浮かび上がらせ、今では作られていない貴重な作品で、なんとも言えない趣があります。同様に素朴ながら風情ある「信楽水指」も、また利休の「侘茶」を感じさせる作品です。
 展示場の北面には千家十職の一人、楽家の9代楽了入作「楽名物茶碗写七種」が並べられ、養老・朝鴉・雁取・狂言袴・東岸・聖・逸馬と銘うつ、朱と黒の七つの茶碗が揃い見ごたえがあります。
 キャビネットには珍しい扇形の「矢竹張扇香合」や笹模様が美しい蒔絵の「笹ノ絵平棗」に加え、四季に因んだ書が記された表千家11代家元・碌々斎作「四季茶杓」など名品が展示されています。
 春うららかな清荒神清澄寺の「史料館」で、洗練された茶道具とともに「侘び」の世界に思いを馳せてみませんか。







  清荒神清澄寺山内にある茶室「春光庵」の茶道具 「巧みの茶道具―春光庵茶具の内―」史料館で開催中
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