宙組20年の軌跡をその名曲、名場面を中心にショー形式で振り返りながら、フレッシュな若手メンバーが歌い踊り、様々な想いを発する(ハッスル)躍動的なライブパフォーマンス『ハッスル メイツ!』が、8月13日まで宝塚バウホールで上演中。 キレのあるダンスで魅了する和希そら、宙組の魂をお客様に伝えたいと、熱い想いを宙組20周年の舞台で発揮!
宙組が誕生してから20年の軌跡を辿るショー、バウ・Song&Entertainment『ハッスル メイツ!』が8月2日、宝塚バウホールで初日の幕を上げた。宝塚バウホール開場40周年となる特別な年に、初めて宝塚バウホールで主演する和希そらさん。2010年に初舞台を踏んだ第96期生だ。「ずっと宙組で育ってきたので、宙組の魂をお客様にお伝えして、宙組20周年にふさわしい舞台になるよう、宙組で学んできたことを発揮したいと思います」
和希そらさんはこれまでも周年記念の年に抜擢されて注目を浴びることが多かった。新人公演で初めて主役を演じたのが、宝塚歌劇100周年の2014年、『ベルサイユのばらーオスカル編―』のオスカル役。同じく新人公演で、憧れのルイジ・ルキーニ役を得たのは2016年、『エリザベートー愛と死の輪舞―』が初演から20周年という記念の年である。「感謝しかないですね。新人公演でオスカルを演じたときはまだ研5でしたが、絶対に失敗出来ないと思いましたし、そういう気持ちが活力になってこれまでの私を支えてくれました。いい意味で、宙組はすごく自由。舞台上では上下関係を気にせず、どんどんぶつかってきて、と研1の時から教えられました。自由に考えられる環境で、上級生の背中を見て育つ。そんな宙組魂が生きているのが宙組の良さであり、宙組生の誇りです」
『ハッスル メイツ!』は、宙組20年の軌跡がショー形式で描かれる。宝塚大劇場宙組公演で上演されたショー作品の中から、ファン投票で選ばれた楽曲で構成された場面や、難しいコーラスに挑戦する場面、そしてオリジナルの場面などもあり、バラエティに富んでいる。「初めて挑戦させていただくのが、素足になって一人で踊る場面。曲を感じ身一つでお伝えするダンスを踊りたいとずっと思ってきましたから、夢が叶ってうれしいです。踊りはご覧になるお客様が感じたことが正解であり、正解は一つではありません。お客様にいろんなことを感じていただけるよう、日々心を込めて踊っていきたいです」
宙組のショーの中で、和希そらさんが出演していなかったにもかかわらず、聞くだけでワクワクする曲があるという。「私たちの学年は石田昌也先生作・演出『ファンキー・サンシャイン』の舞台稽古の日に組配属の発表があり、宙組生になった同期たちと舞台稽古を見学しました。初舞台が1本物の『THE SCARLET PIMPERNEL』でしたので、舞台上でショーが出来上がっていく過程を初めて目の当りにしてワクワクし通し。『ファンキー・サンシャイン』のテーマ曲”ソーラー・パワー“を聞くと、そのときの初々しい気持ちが蘇ってくるんです」
和希そらさんは、小さい頃からダンスとヒップホップを習っていた。短距離走が得意で、中学時代は50m7秒台。宝塚歌劇を観始めて1年後、宝塚音楽学校を受験。入団後、今日まで様々な役を幅広く演じてきた。「様々な段階を踏んで、成長させていただくことが出来たと思います。新人公演を卒業して、これから男役としてこんな風にやっていきたいという気持ちが定まってきたときに、国際フォーラム公演『WEST SIDE STORY』で女役アニータを与えていただき、相手の言葉を受けて台詞が自然に出るのを感じて、その後の男役の芝居につなげることができました。『ハッスル メイツ!』でバウ初主演をさせていただくタイミングも意味のあるものだと感じています。来年は入団10年目。舞台をご覧くださるお客様に、和希そらは次に何をするんだろう、と期待される舞台人でありたいと思います」
楽しいことが大好きでポジティブな和希そらさんだが、「正反対の面が垣間見える人間は深みが感じられて魅力的です。今後はそんな部分も出していければ」と、屈折した役にも意欲を燃やす。輪郭の際立つ役者魂が流麗なシルエットを描く、心憎いスターである。
2010年『THE SCARLET PIMPERNEL』で初舞台。その後、宙組に配属。14年『ベルサイユのばら-オスカル編-』新人公演で初主演。16年『エリザベート』新人公演でルキーニ役。
出身/岡山県 愛称・そら、そーちゃん