トップページ > 2017年04月号 >フェアリーインタビュー

星組 有沙 瞳

トップコンビお披露目となる星組宝塚大劇場公演は、ブロードウェイで大ヒットを記録したミュージカルの宝塚バージョン『THE SCARLET PIMPERNEL』を3月10日から4月17日まで上演。 歌に芝居に力をつけ眩しい笑顔をみせる有沙瞳。雪組から組替えとなり、培ってきた歌唱力で新人公演ヒロインに挑む!

話題の新生星組公演「スカーレット ピンパーネル」。 新人公演で凛とした美しいマルグリットを演じる

 3月10日から4月17日まで、宝塚大劇場では大人気の傑作ミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL』を上演中。1997年にブロードウェイで初演した『THE SCARLET PIMPER NEL』が、宝塚バージョンのオリジナルを加えて日本初上演したのが2008年。この時の星組公演は第16回読売演劇大賞優秀作品賞、第34回菊田一夫演劇大賞を受賞した。2010年には月組でも上演。絶賛を博した待望の宝塚版『THE SCARLET PIMPERNEL』が、新トップスター紅ゆずると新トップ娘役綺咲愛里を中心とする新生星組により7年ぶりに甦り、観客の胸を躍らせている。

 3月28日、18時開演の新人公演でヒロインの花形女優マルグリット・サン・ジュスト役を演じるのが2012年に初舞台を踏んだ第98期生の有沙瞳さん。有沙瞳さんは2016年12月26日付で雪組から星組に組替えしたばかり。星組生として初の宝塚大劇場公演に挑んでいる。

 「『THE SCARLET PIMPER NEL』は私が宝塚ファンの頃から大好きだった作品です。紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの宝塚大劇場でのお披露目公演で、星組生として一からスタートさせていただけることをとても光栄に幸せに思っています。本公演で演じるマリー・グロショルツは、娘役としていつか演じてみたいと思っていたとても儚げな役。瀬央ゆりあさんが演じられる恋人のアルマンと、幸せな温かい雰囲気を出せるよう、頑張りたいと思います。そして、新人公演で挑戦させていただくマルグリットでは艶っぽい大人の女性を表現できるよう、しっかり勉強していきたいです」

 楽曲は誰の心にも沁み入るフランク・ワイルドホーンの名曲揃いだ。音域の広さが要求されるが、有沙瞳さんは歌唱力に定評がある。2016年のシアター・ドラマシティ公演『ドン・ジュアン』のエルヴィラ役を経験して得たことも大きいという。「『ドン・ジュアン』は歌で表現することが多い作品でした。そこで教えていただいたことを、マルグリット役に生かしてがんばりたいと思います。マルグリットは高音で歌うことが多いのですが、高い音域でも芝居心で歌えないとお客様に気持ちが伝えられません。これまで私は地声で歌うことが多かったので新たな挑戦です。マルグリット役は言葉に表さない裏の気持ちの表現なども必要とされるので、その辺りも大切に歌っていきたいです」

 星組への組替えを聞いたのは、雪組大劇場公演の稽古中だったという。「驚きと同時に、最初は不安な気持ちもありました。けれども、組替えは新たな環境で様々なことを経験できる機会でもあり、とてもありがたいこと。それから、雪組の上級生や下級生のエネルギーを近くで感じられるのは今しかない、たくさんのことを吸収させていただいて、星組へ行こうと思うようになりました」

 組替えが発表されて、真っ先に電話をくれたのが星組の同期生、天華えま。新人公演『THE SCARLET PIMPERNEL』では、主役のパーシー・ブレイクニーを演じる。「音楽学校時代から仲が良くて、二人で京都観光に行った思い出もあります。星組への組替えを温かく歓迎してもらい、うれしかったです」

 マルグリットに扮した有沙瞳さんが着るのは輪っかのドレスだ。2013年の『ベルサイユのばら―フェルゼン編―』以来だという。有沙瞳さんの新人公演初ヒロインは『一夢庵風流記 前田慶次』の、まつ役。宝塚バウホール公演初ヒロインは月城かなと主演の『銀二貫―梅が枝の花かんざし―』の真帆/おてつ。日本物の美しさには定評がある有沙瞳さんだが、「輪っかのドレスをはじめ、洋物のお衣裳が綺麗に見える動き方も日々研究していきたいと思います」

 洋物のコスチュームに彩られた有沙瞳さんの新しい魅力が、新生星組公演で花開く。

有沙 瞳さん

2012年『華やかなりし日々』で初舞台、雪組に配属。14年『一夢庵風流記 前田慶次』で新人公演初ヒロイン。15年バウホール公演『銀二貫』でバウ初ヒロイン。16年12月付で星組へ組替え。
出身/三重県  愛称・くらっち、ひとみ、みほ

インタビュアー 名取千里(なとりちさと)
ティーオーエー、現代文化研究会事務局/宝NPOセンター理事主な編著書「タカラヅカ・フェニックス」(あさひ高速印刷)「タカラヅカ・ベルエポックI・II」(神戸新聞総合出版センター)/「仕事も結婚も」 (恒友出版)
宝塚の情報誌ウィズたからづか

ウィズたからづかの最新コンテンツ