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宙組 桜木みなと

宝塚歌劇102周年の幕開けを飾る宙組・宝塚大劇場公演は、シェイクスピア没後400年メモリアルミュージカル、シェイクスピア自身を主人公とした『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』と、ダイナミック・ショー『HOT EYES!!』の2作品。 ノーブルな容姿と歌声で人気を博す宙組の若手、桜木みなと。この公演で新人公演を卒業、大人の色気を出す男役をめざし、新しい年に新たな挑戦!

'16年幕開きはシェイクスピアを描いたミュージカル。 大人の色気を醸し出すエセックス伯に挑む

 2016年1月1日、宙組宝塚大劇場公演が幕を上げる。演目はシェイクスピア没後400年メモリアルのミュージカル『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』と、ダイナミック・ショー『HOT EYES!!』の2本立て。宙組トップスター朝夏まなとが率いる初めてのオリジナルミュージカルと大劇場での初のショー作品だ。新しい年の幕開けにふさわしい、宝塚歌劇でなければできない舞台づくりに挑んだ意欲的かつ薫り高い公演である。

 「元旦に初日を迎える宝塚大劇場公演に出演するのは初めてです」と、2009年に初舞台を踏んだ第95期生の桜木みなとさん。初舞台も宙組公演という生粋の宙組生だ。ノーブルな顔立ちと情感ある歌声で人気急上昇中の桜木みなとさんは2015年10月、宝塚バウホール公演『相続人の肖像』の主役に抜擢され、10日間の公演をやり遂げたばかり。全国ツアー組と二手に分かれて活動していた宙組のメンバーが約2ヶ月ぶりに全員揃って集合日を迎え、「みんなで新しい作品を創っていくことへの期待感と、私自身がバウ主演経験で得られたものをどれだけ活かすことが出来るのかという緊張感が入り混じり、高揚した気持ちになりました」

 シェイクスピア自身を主人公とした『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』で桜木みなとさんが演じるのは、エリザベス一世の寵愛を受けていた家臣エセックス伯ロバート・デヴルー。実在の人物である。「その時代に実在していた人の役をさせていただけるのはとてもうれしいです。シェイクスピアの作品は民衆に支持されていたので、その力を政治に活かそうと考えていた人物です。エリザベス一世は美男子だったエセックス伯をかわいがったそうなので、そのあたりもがんばってお見せすることが出来たらいいなと思っています」

 桜木みなとさんはこれまで、『白夜の誓い―グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い―』と『王家に捧ぐ歌』の新人公演に主演し、本公演でも様々な役を演じてきたが、どちらかというと元気いっぱいの少年やさわやかな貴族といった役柄のイメージが大きな魅力だった。「今回は立っているだけで大人の男の雰囲気や色気を出したいと思う役柄です。新たな挑戦をさせていただける良い機会をいただきましたので、これまで経験してきたものを糧に、しっかり前を向いて新しい年の第一歩を踏み出したいと思います」

 『Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~』の新人公演は、1月19日に迫っている。桜木みなとさんは、シェイクスピアの才能を見出し創作の場を与えた後援者ハンズドン卿ジョージ・ケアリー役に挑む。本公演では真風涼帆が演じる、懐の深い大人の男の役だ。「お稽古はまだ始まっていませんので、今はとにかく真風さんがお稽古していらっしゃる姿を食い入るように見ています」。研7になった桜木みなとさんは新人公演メンバーの長の学年であり、この公演を最後に新人公演を卒業する。「初めて新人公演の主役を演じる瑠風輝を初め、下級生を少しでも支えてあげられる存在でいたいと思っています」

 同時上演のショー『HOT EYES!!』は、30数年ぶりに全場で大階段を使用したダイナミックなセットが見所の一つ。大階段でのダンス場面はいつでも最高の見せ場だが、高いレベルのダンス力も要求される。「2014年の『ベルサイユのばら』フィナーレで『薔薇のタンゴ』を踊った時は恐かったです。階段上での動きが激しく、バランスを崩さないよう、踏み外さないようにと、ものすごく緊張しました」

 『HOT EYES!!』では、プロローグから宙組の主要メンバーの一人として活躍する桜木みなとさん。大階段を踏みしめて颯爽と踊る桜木みなとさんの姿は、鮮烈な輝きを放っている。

桜木みなとさん

2009『Amour それは…』で初舞台、宙組に配属。14年『白夜の誓い―グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い―』新人公演で初主演。15年『相続人の肖像』でバウホール公演初主演。
出身/神奈川県  愛称・ずん


インタビュアー 名取千里(なとりちさと)
ティーオーエー、現代文化研究会事務局/宝NPOセンター理事主な編著書「タカラヅカ・フェニックス」(あさひ高速印刷)「タカラヅカ・ベルエポックI・II」(神戸新聞総合出版センター)/「仕事も結婚も」 (恒友出版)
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