新トップスター北翔海莉率いる星組宝塚大劇場公演は、ブロードウェイでも最も陽気なミュージカル・コメディの傑作中の傑作、ファン待望の『ガイズ&ドールズ』を9月28日まで絶賛上演中。 「舞台に彩りを出せる虹色の娘役を目指す」と語る真彩希帆、透きとおる歌声で舞台を華やかに盛り上げる。
9月28日まで宝塚大劇場では新生星組公演『ガイズ&ドールズ』-GUYS&DOLLS-を上演中。9月8日には研7までの生徒だけで演じる新人公演が行なわれ、ネイサンの婚約者アデレイド役に第98期生の真彩希帆さんが抜擢された。「受験生時代にDVDを観た時、アデレイドの歌が頭の中に一番残っていたので、このような貴重な機会をいただき、とてもうれしいです。本公演では男役の礼真琴さんが演じていらっしゃる重要な役なので、娘役の私にとってはこれまでにない挑戦になりますが、勉強してきたことを出し切って少しでも成長できるよう、精一杯がんばりたいと思います」
2012年、宙組公演『華やかなりし日々』で初舞台を踏んだ後、1年間の組回りを経て花組に配属された真彩希帆さん。2013年8月、真彩希帆さんにとって初めての花組宝塚大劇場公演『Mr.Swing!』の「生命」という場面でソロを与えられ、ショー中で歌うという初めての経験をした。さらに11月、明日海りおのディナーショーに出演した真彩希帆さんは、『ロミオとジュリエット』の名曲「AIMER」を明日海りおとデュエットしたのだ。「研1で月組に出演させていただいた時に、私がカゲコーラスで歌っている姿を明日海さんが覚えていてくださったことをお聞きして、とてもうれしかったです」。学年差のある明日海りおとのデュエットは、さぞかし緊張したことだろう。「デュエットは感情を動かして相手の方の存在をいかに感じるかということが大切だなと思いました。声を出しすぎてもいけないし引っ込めすぎてもよくない。明日海さんがお互いの手を合わせるように言ってくださり、心から相手のことを感じて歌うということを学ばせていただきました」
それから約1年後、真彩希帆さんは星組に移籍した。真彩さんが組替えを知らされたのは、2014年『エリザベート―愛と死の輪舞―』の頃。「花組の娘役としてまだ何も勉強できていない、どうしようと思い、不安でいっぱいでしたが、上級生の方々が『心配せずに、この公演でたくさんのことを吸収したらいいよ』と背中を押してくださったんです。それからは花組の皆さんから少しでも多くのことを学びたいという思いで、目の前のことに全力で取り組んでいきました」
その思い出深い花組公演『エリザベート―愛と死の輪舞―』にフランツ・ヨーゼフ役で専科から出演していたのが、星組新トップスター北翔海莉である。「お稽古場から魂を込めて歌っていらっしゃる姿に感銘を受けました。新トップ娘役の妃海風さんには、星組公演『黒豹の如く』の新人公演でアルヴィラ役をさせていただいた時に『新人公演は一度しかないのだから、私のやり方を真似るよりも自分を信じて思い切りやったほうがいい。そうしたら絶対に良い結果がついてくるから』と言っていただき、とても大切なことを教わりました」
そして2015年6月、シアター・ドラマシティ公演『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』にシェリル・アン役で出演した真彩希帆さんは、主役・紅ゆずると二人だけの場面を初体験。「紅ゆずるさんが役の人物として生きていらっしゃる一瞬一瞬を感じることができ、私自身も常にお客様に新しいものをお届けしたいと強く思いました。勘がいいから思い切り演じることができる、と紅さんに言っていただき、千秋楽がこなければいいなと思うほど楽しかったです」
目指す娘役像を聞いてみた。「自分ではない誰かになれるのが舞台の素晴らしいところだと思いますので、役の人物として舞台で生きられる娘役になりたいです。そして真彩希帆の名前を決めた時に目標とした、真実を彩り希望の帆を掲げて前進し、舞台に彩りを出せる虹色の娘役を目指しがんばります」
華のある娘役・真彩希帆さんの七色の声は、清らかに生き生きと輝いて、観客の心を癒し続けてくれる。
2012年『華やかなりし日々』で初舞台、13年花組に配属。明日海りおディナーショーで明日海りおと「AIMER」をデュエット。14年11月星組へ組替え。
出身/埼玉県 愛称・なっちゃん、まあや