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子宮頸がんワクチン

我が国でも2009年子宮頸がん予防ワクチンの承認がおり、ニュースや新聞などで、このワクチンについて取り上げられることが多くなりました。子宮頸がんは20~30歳代の若い世代で死因のトップとなっていますが、この世代に多いHPV16、18による子宮頸がんはこのワクチンで予防できるようになったわけです。日本では子宮頸がん患者の約60%がこの2種類のHPVによるものです。その感染を少なくとも6~7年(20年間という推計報告もあります)に渡って予防する効果があると言われています。

 日本産婦人科医会では、接種推奨対象を11~45歳としています。3回の接種が必要で初回、1ヶ月後、初回接種から6ヵ月後の接種が必要です。3回接種することで十分な効き目が得られるため、きちんと最後まで接種することが重要です。

 本年から宝塚市でも市の指定する医療機関においてこのワクチンの接種無料化が始まりました。接種時に中学1年生から高校1年生に相当する年齢の女子が対象です。(対象年齢以外の場合は自費になり、3回で五万円前後です。)

 注意していただきたいのは、このワクチンで全ての子宮頸がんを予防できるわけではないということです。HPV16、18以外の残り40%のHPVによる感染は防ぐことができません。より確実に子宮頸がんを予防するために、20歳になったら毎年1回は子宮頸がん検診を受けましょう。

大西泰彦(おおにしやすひこ)先生
奈良医大付属病院、県立西宮病院などを経て市立松原病院では副院長兼産婦人科部長として勤務。現在、宝塚市にて大西レディスクリニックを開業、同院長。
http://www6.ocn.ne.jp/~gyn/
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