池田のわらべ歌 池田郷土史学会 いけだ市民文化振興財団

発行日 2012年8月30日
発 行 いけだ市民文化振興財団
編 集 池田郷土史学会
印刷・製本 セイコープロセス㈱
定 価 1,000円(税込)

 池田の郷土史を研究、年1回会誌「池田郷土研究」にまとめ、昨年創立60周年を迎えた池田郷土史学会が編集し、いけだ市民文化振興財団が2012年8月に発行した「池田のわらべうた」には明治、大正生まれの伝承者から聞き取った貴重なわらべ歌が楽譜とともに収められている。

 A4版、104頁に及ぶ「池田のわらべ歌」には言葉遊び歌を含めて100曲に及ぶ池田のわらべ歌と各地のわらべ歌16曲が収録されている。池田在住の富張ミツエさんが明治、大正生まれの6人の伝承者を訪ね、テープに採録し、同研究会の相良さんが音源を楽譜に起こし、1984年に手書きの冊子「池田のわらべ歌」第1集が発行され、続いて85年に第2集、86年に第3集が発行された。それをもとに1・2・3集をまとめた改定版をA4サイズで作成することが同研究会で決まり、いけだ市民文化振興財団が発行を引き受けてくれた。

 わらべ歌はもともと音符はなく、口承で伝えられてきたが、後世に残すため、再び音源を聞き、専門家のアドバイスを得て出来るだけ正確に採譜、歌詞と共に特別なソフトに入力、同会員の力と熱意で1年余りをかけて出来上がった。手まり歌、子守歌、お手玉遊び歌、歳時歌、ことば遊び歌など分野別に仕分けする作業や再校正など冊子の編集に尽力した同会副会長の室田さんは「かつて多くの子どもたちが遊びの中で口ずさんだ歌ですから、当時の子どもの遊びを知る貴重な資料でもあります。教育、保育の現場や老人ホーム、介護施設などでも活用してもらい、わらべ歌や昔の遊びを伝承してもらえれば嬉しい」と話し、日本民俗音楽学会会長の小島美子さんは「この冊子は日本の音楽史にとってかけがえのない記録」という一文を寄せている。


羽根つき歌(歳時歌)
 ひとめ ふため みやこし 嫁御 いつやの 昔 ななやの やくし 九や 十お

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