昨年10月に、国内で初めて子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を防ぐワクチンの承認がおりました。
このワクチンは、発がん性HVPの中でも特に子宮頸がんの原因として最も多く報告されているHVP16型と18型の感染を防ぐワクチンで、海外ではすでに100カ国以上で使用されています。ワクチン接種により、発がん性HVPの感染から長期にわたってからだを守ることが可能となり、将来的に子宮頸がんが7割以上減ると見込まれています。
このたび、市内の婦人科、小児科などでもワクチンの接種が受けられるようになりました。対象は10歳以上の女性です。半年の間に3回のワクチン接種が必要で、肩に近い腕の筋肉にワクチンを注射します。費用は自費となりますので診療所により異なりますが、3回で5万円程度です。
ワクチンを接種することで上記2種類のウィルスによる感染を防ぐことができますが、全ての発がん性HVPの感染を防ぐことができるわけではありません。そのため、ワクチンを接種しなかった場合と比べれば可能性はかなり低いものの、ワクチンを接種していても子宮頸がんにかかる可能性はあります。また、このワクチンは、すでに今感染しているHVPを排除したり、子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHVP感染を防ぐものです。
子宮頸がんを完全に防ぐためには、子宮頸がんワクチンの接種だけではなく、定期的に子宮頸がん検診を受けて前がん病変のうちに見つけることが大切です。ワクチン接種後も、年に1回は子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。