4月5日、満開の桜の下で春のお茶会が催され、多くの参拝者が野点を楽しんだ清荒神清澄寺。境内にある史料館では「巨匠の美-煌く人間国宝-」が6月28日まで開催され、人間国宝(重要無形文化財保持者)による茶碗や花瓶、蓋置など名品を観ることができます。
清荒神清澄寺の先々代法主光淨和上は宗教と芸術の融合である「宗美一体の理念」を唱え、鉄斎作品の収集と普及に力を注いだことで知られており、加えて当山は著名な芸術家や巨匠達とも交流が盛んで、多くの作品が遺されています。
開催中の「巨匠の美-煌く人間国宝-」では、人間国宝の手になる芸術性の高い、洗練された作品が展示されています。財界人で陶芸家の川喜田半泥子が呼びかけ人となって結成した「からひね会」に集まった陶芸家、荒川豊藏、金重陶陽、三輪休和の味わい深い作品が目を引きます(現在、あべのハルカス美術館で「川喜田半泥子物語」が開催中)。
豊藏や休和の「萩茶碗」に加え、川喜田半泥子の「梅もよう茶碗」、佐賀の三右衛門(柿右衛門・今右衛門・太郎右衛門)の陶磁器、さらには洗練された鉄釉を生み出した清水卯一の茶碗も見逃せません。
また、歌舞伎界の人間国宝である13代目片岡仁左衛門、8代目松本幸四郎、6代目中村歌右衛門の昭和13年、共に襲名以前の菅原伝授手習鑑「車引」松王丸・梅王丸・桜丸の隈取と2代目尾上松緑の「助六」の隈取も併せて観ることができます。
このような日本の伝統が生みだした「巨匠の美」の数々をお楽しみください。