▲▲5月3日〜8日大阪市立美術館で開催された「大美展」。日本画の大作が並ぶ。
昭和26年、大阪画壇で活躍をしていた矢野鐡山ら日本画家によって結成された「大阪美術協会」。創立6年後の31年から公募展を開催し、56回目を迎えた今年も天王寺公園内にある大阪市立美術館地下展覧会室で5月3日から6日間「大美展」が開かれた。
会場には協会賞、会員賞、大阪府知事賞、大阪市長賞などに選ばれた作品を含め会員52名、会友24名、公募27名の55号から200号の作品121点が展示され、訪れた人は、墨や岩絵具で描く日本の伝統技法に現代感覚を取り入れた多彩な日本画を鑑賞、その美しさを楽しんだ。
「大美展」は作品募集から受付、審査会や展示の準備、ポスカード制作のための撮影準備など会員の力によるところが大きく、林春杏協会委員長のもと、会員が協力し合い、展覧会を創り上げる。会場では作品74点のポストカードが販売され、会員にとっては出品の記念となるほか、大美展の歩みを残す貴重な資料となっている。
ポストカードの制作にあたっては審査会が行われる直前に作品を撮影し、データを印刷会社に入稿、色校正を経て画質が綺麗なオフセット印刷で印刷される。日本画は洋画に比べ色彩が微妙で、色の再現が難しいといわれるが、デジタルカメラの性能や印刷技術の進歩で、比較的本画に忠実に再現できるようになり、また、低コストなこともあり毎回好評を得ているという。日本画の普及に努める大阪美術協会は学生や若手にも出品を呼びかけ60年に向け歩みを進めている。