発 行 銀杏俳句会
本城布沙女
発行日 平成二十三年1三月吉日
印 刷 あさひ高速印刷株式会社
四六判 100ページ
高齢者が健康で豊かな日々を送ることができるよう、平成四年に開設された大阪市いちょう大学。一年の学習期間を終えた修了生によって同窓会が創立され、そのモットーは生涯学習となるサークル創りだった。第一期修了生である本城布沙女さんは、当時の主任講師より「ともに学習した縁をつなげてほしい」と背中を押され、師事していた大橋敦子主宰の薦めもあり、俳句講座を開講することとなった。
俳句はペンと紙があれば誰でも始められるという手軽さから、全くの初心者からベテランまで会員の俳歴は様々で、当初は苦労があったという。季語について月ごとに学び、「奥の細道」など古典や古語に慣れ親しみ、受講生の俳句に対する理解度は急速に進歩。「初心者の方からフレッシュな感覚を気づかされる事も多く、会員は互いに学び句作を楽しんできました」と本城さん。
句集の発刊に受講生は、「自分の俳句が活字となって対座できるとは、人生で思ってもいないことでした。できあがった句集を友人に見せると、こんな才能があったのねと驚かれました」と喜びを隠せない。
朱色の表紙に『心華』の文字は、銀杏俳句会を主宰する本城さんの筆によるもの。中国、元の文人画家で四大家の一人「呉鎮」という人物の「画は心の華なり」の言葉から、俳句も同じく、森羅万象を師として仰ぎ日常には心に華のある自らを養いたいと名付けた。十七年目を迎える銀杏俳句会の句友とともに、「心華」を指針として、健康で豊かな生きがいのある日々を送りたいという本城さんの思いがこめられた一冊である。
花伝書に一姿たがはぬ花菖蒲 布沙女