ウィズたからづか｜星組真風涼帆

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星組真風涼帆

2010年初頭を飾る星組・宝塚大劇場公演は、18世紀前半のオーストリアを舞台としたミュージカル『ハプスブルクの宝剣』－魂に宿る光－と、グラン・ファンタジー『BOLERO』－ある愛－　の2本立てで、2月1日まで上演中。伝統的な宝塚らしい舞台姿で、大型男役スター候補の呼び声が高い真風涼帆、数々の抜擢にこたえ、新春の舞台に立つ。

注目の大型新人に熱い視線

入団して4年目だが、すでに2作品の新人公演で主役を演じている。175センチの長身、面長な顔立ち、温かみのある切れ長の目、引き締まった口元、物怖じしない度胸のよさ。星組の真風涼帆さんは恵まれた資質をもつ大型新人だ。元旦に初日を迎えた宝塚大劇場公演『ハプスブルクの宝剣-魂に宿る光-』『BOLERO』に出演中である。

　『ハプスブルクの宝剣』で実在したカール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲンを演じています。長編の原作を1時間半のお芝居にしていますので、私は凰稀かなめさんが演じていらっしゃるロートリンゲン公国君主、フランツ・シュテファンの弟として、兄にくっついて出る場面がほとんどですが、原作に描かれているイメージを大切にお伝えできたらと思っています」

　兄の背中を見て世界情勢を学んできた弟役の真風涼帆さんが、新人公演では兄のフランツ・シュテファンを演じる。フランツはヒロイン、マリア・テレジアの夫。これまでの2度の新人公演主役経験を生かし、愛と友情の狭間で苦悩する準主役の心情に迫る。

　思えば真風涼帆さんにとって、2009年は大きなチャレンジの年だった。それは2月に始まった。『My dear New Orleans』の新人公演でいきなり主役に抜擢されたのだ。それまでも『エル・アルコン- 鷹-』新人公演のブラック、『THE SCARLET PIMPERNEL』新人公演のアルマン、宝塚バウホール公演『ANNA KARENINA』のセルプホフスコイ、『ブエノスアイレスの風』のマルセーロなど、圧倒的な存在感を示してきた真風涼帆さんだが、『My dear･･･』は成熟したトップの退団公演として書き下ろされた宝塚オリジナル・ミュージカルであり、難曲で綴られた作品といっても過言ではない。「まだ研3でしたから自分でいいのか、と悩みました。自分が置かれた状況をどう処理すべきか、悩んでいたときに、安蘭けいさんからアドバイスを具体的にいただきました。そのおかげでがんばれたので、感謝の気持ちでいっぱいです」

　さらに6月、新トップ柚希礼音が率いる新生星組披露公演『太王四神記』の新人公演でも主演。「コスチューム物で大きなお衣装での立ち回りが多く、しかも1本物を短縮したため考えることが山のようにあり、体力気力すべてをフル活動させました。その結果、全く新しい引き出しを作れたように思います。まだ1年も経っていないのに、すごく昔の出来事のような気がして、時間の早さに驚かされます。本当に学ぶことの多い1年でした」

　真風涼帆さんにとって2006年の初舞台も忘れられない。宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』は華やかなトップコンビの退団公演だった。「宙組の皆さんとお客様の熱い思いがたくさん詰まった公演で初舞台が踏めたことは、貴重な経験でした。ロケットと口上のお稽古に汗を流した同期との思い出がいっぱいです」

　その後、星組に配属されたが、なぜか周りからは星組という感じではないと言われていたため、意外な気がしたそうだ。

「今日までさまざまな役を与えていただき、無我夢中で走ってきましたが、2009年は自分の中でもいろんなことが凝縮された、一番濃い1年でした。4月に研5になりますが、これまで学んだことを確実に自分のものにして一歩一歩大切に歩んでいけば、心にも時間にも余裕ができて、舞台ももっと楽しめるのではないかと期待しています」

　ショー『BOLERO』では、ご自身も大好きな大階段上での黒燕尾服を着た男役によるダンス場面に登場する。「ザ・男役といった感じのショー。宝塚のすばらしさをお伝えしたい」と意欲に燃える。2日からお稽古を始めた新人公演は19日の18時に開演。真風涼帆さんの瑞々しい叡智が創り上げた舞台姿に、熱い視線が集まるだろう。

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