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阪急逆瀬川駅前の市役所通りにある パブリックアート (河合隆三 作、岩城信嘉 作)

阪急逆瀬川駅前の市役所通りにある パブリックアート (河合隆三 作、岩城信嘉 作)

作家の一人、河合隆三さん(1935年、大阪に生まれる)は、1962年に東京芸術大学彫刻科を卒業。'66年には、イタリアのローマ美術学校へ留学し、多くの古代ローマの遺跡や建造物、彫刻などにも触れている。

 河合さんは、近年まで大阪芸術大学の教授として多くの後進を育成されている。その傍ら関西を中心に、公共空間、都市施設などに多くの屋外彫刻作品を制作している。

 阪神間では、尼崎と伊丹に跨るつかしん内の〈猫神像〉やダイエー西宮店の〈音楽像〉などの彫刻作品が挙げられる。何れの作品も、一見素朴なフォルムに見えるが、メルヘン的な温かさとともに、作家の洗練された造形力を垣間見ることが出来る。


 さて、市役所通りの左右にある片方の商業棟アピア2の歩道空間に据えられた河合さんの彫刻作品(図版1)は、行き交う人に親しみを持たれているのではないだろうか。石像作品は、花崗岩が用いられ、優しい質感に仕上げられている。そのフォルムは、見る者の心を和ませてくれている。少女と犬の石像の組作品は、どこかのどかで、微笑ましく、私たちに都会の喧噪をしばし忘れさせてくれる。

 河合さんの作品の反対側のアピア3には、岩城信嘉さん(1935年、富山に生まれる)の石像作品(図版2)が設置されている。寄り添う2体の笑みを浮かべた顔が、とても印象的である。右側は、フォルムからすると、時代的衣裳を纏った女性だろうか。また左側の石像は、性別の判断が難しい。でもどことなくユーモラスな顔の表情を見ていると、性別などどちらでもいいような気がしてくるのが不思議だ。

 これらの'87年に設置された石像たちは、市役所通りというお固いネーミングを柔かくしてくれている。ところが、2点組の作品たちが、車の排気ガスにより、石像の表面が黒ずんでいるのは気掛りだ。

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