表紙絵
「薊」 大月紅石 (水墨画家)
緑の濃くなった野にピンクの毬がいくつもいくつもまろんでいます。 その毬は優しくふんわりと咲いている薊。 ところがうっかり手を差し延べようものなら護衛の剣にチクリと刺されてしまいます。
力強い葉が無数のトゲを忍ばせて花を護っているのです。
護られていることが安心感となって優美に咲けるのか。 それとも、 こよなく優しい花ゆえに護ろうとするナイトが現れるの・・・か。
薊はしあわせそうに咲いています。
前進への第一歩を踏み出せずにためらっている時、ふと眼前が開けて明るい希望が見えて来るのは花の誘導があったからでしょうか。
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