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牡丹は花の女王、あでやかに麗しく堂々と天と向き合って咲きます。幾重もの花弁は朝日に輝き、夕陽に翳を得て鎮まり、夜には月の雫をもらいながら漆黒の帳に次第に嵌まってゆきます。 背筋を正した立ち姿は、花散る時を迎えても変わりません。花びらを散華のごとく撒きながら女王は凛としています。