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-バックナンバー- 20006年5月号 | ||||||||||||
宙組宝塚大劇場公演『NEVER SAYGOODBYE―ある愛の軌跡―』の幕が上がった。小池修一郎が台本と作詞を、世界的なミュージカル「ジキルとハイド」を作曲したフランク・ワイルドホーンが全曲を書いた、日本演劇界初の画期的な日米合作ミュージカルであり、和央ようかと花總まりのサヨナラ公演である。 70年前のスペインを舞台に、ハリウッドでの運命的な出会いを経て内戦に巻き込まれていく人気カメラマンと女流作家の、大人の恋の行方を描いた、超大作だ。 ナチスによるベルリン・オリンピックをボイコットして、人民オリンピックに出場するためにバルセロナに来た、フェンシング選手のビョルンを演じているのが、フレッシュな若手スターを代表する十輝いりすさん。 8月に、初めてのバウ・ワークショップ主演公演『Young Bloods』を控え、今、熱い注目を集めている。 内戦が起こっても故国スウェーデンに戻らず、民衆とともに闘うビョルンが、旗や銃をもって踊る激しい群舞。「ファシストに共和国を渡しはしないぞ」と歌う、力強いコーラス場面。十輝いりすさんの華やかで美しい動きは、どの瞬間を切り取っても絵になる。 「メロディがきれいで迫力があって、すばらしい曲ばかり、感動しています。実は宙組は群舞やコーラスを何回も経験しているので、今回はピッタリ一つになっていると思います。東京宝塚劇場公演が終わったら、バウ・ワークショップのお稽古。バウ主演のお話をいただいた時は、すごくうれしかったです。ダンスシーンが中心の舞台とお聞きしていますので、体力を鍛え直します」 178センチの長身をスックとのばし、晴れやかな笑顔で意気込みを語る。 素顔の十輝いりすさんには、おおらか、のびやか、といった形容詞が似合う。ゆったりとしていて朗らかな話し方が、春の暖かさを運んでくる。 こめかみから顎にかけてなだらかにのびるラインの先が、きれいな菱形を描いている。男役の一つの理想的な形だ。宙組初代トップスター姿月あさとの輪郭の美しさを思い出させる。 小さい頃からたくさんの習い事をしていたそうだが、クラシックバレエもその一つ。日本舞踊は小学校3年生の頃から習い始め、藤間寿美伶という名取である。 「残念ながら、まだ日本物の舞台に出たことはありません。舞踊会にも出たいと思いながら、これまではスケジュールが全く合わず、叶っていません」 |
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宙組十輝いりすさんの日本物の舞台に立ちたいという願いはかなうのだろうか? |
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