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-バックナンバー- 20006年11月号
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フェアリーインタビュー

 10月30日まで上演中、雪組主演コンビのサヨナラ公演となる宝塚大劇場公演は、二十世紀初頭のパリを舞台に繰り広げられるMusicalFantastique『堕天使の涙』と、レビュー・アラベスク『タランテラ!』の2本立て。雪組に組替えし1年ぶりの大劇場公演となる若手スター彩那音が演じるのは、素直で純粋、卓越した才能を持つ若き音楽家。

新人公演を卒業して、月組から雪組に移籍した彩那音さん。移籍後初めての宝塚大劇場公演『堕天使の涙』『タランテラ!』に出演中だ。
 
移籍した雪組は1999年4月、鬼才・鴨川清作の傑作『ノバ・ボサ・ノバ』で彩那音さんが初舞台を踏んだ組。フィナーレで一旦幕が下り、再び上がってから始まるという異例の初舞台生ラインダンスは、続演した月組の大劇場公演にも引き継がれ、彩那音さんたち85期生は雪組の東京宝塚劇場公演を含む3公演でラインダンスを披露した。通常は春の大劇場公演だけなのである。
「その間、同期生とはずっと一緒。今もそれぞれ全組でがんばっています」
 
入団8年目としては在籍するスターが多い学年である。
「すごく憧れていた宝塚に入れて、毎日がとても楽しかったこと、上級生のお稽古ぶりを目の当たりにして、すごい!と気持ちが引き締まったことが忘れられません」
 
彩那音さんが宝塚に憧れるキッカケになったのが、宝塚志望の姉と母と3人で観た東京宝塚劇場公演。4姉妹の末っ子で小学1年生だった彩那音さんにとっては初観劇だった。姉は、2005年に退団した月組トップスター彩輝直である。
 
以前、彩輝さんに「妹は私の知らない間に宝塚を受験していた」とお聞きしたことがあった。そのあたりのことを彩那音さんにうかがうと、「1番上の姉は私が小さい頃に宝塚に入ったので、離れ離れにすごした年月が長く、入りたいということは伝えていましたが、宝塚受験に関する具体的なことは何も話していません」とのこと。
 
クラシックバレエのレッスンに通い、黙々と宝塚受験を目指した彩那音さん。
 
観る側から演じる側になり、「毎日、必死だったような気がします。最下級生時代はお稽古場のセットを準備するという、出番以外にも大事な仕事がありました。間違うと進行を妨げて、上級生に迷惑をかけます。初めは上手くできず、反省会を繰り返しながら一つ一つ覚えていきました。その時に上級生から頂いたアドバイスは今も覚えています。全てが舞台でのタイミングの重要性を勉強するためでした」


あやなおと・1999年『ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台、月組に配属。2004年『飛鳥夕映え』では姉・彩輝直演じる入鹿を暗殺する中大兄皇子役で話題に。06年雪組に組替え。
神奈川県出身/愛称・ひろみ、おと


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