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-バックナンバー- 20006年11月号
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フェアリーインタビュー

 
月組時代は2000年『LUNA』『BLUE・MOON・BLUE』、『ゼンダ城の虜』『ジャズマニア』、2001年の新東京宝塚劇場こけら落とし公演『いますみれ花咲く』『愛のソナタ』、大劇場での『ESP』、東宝『大海賊』、東京特別公演『血と砂』、2002年『ガイズ&ドールズ』、全国ツアー『サラン・愛』、そして新人公演でアルノーを演じた『長い春の果てに』と、『Withasong inmyHeart』などに出演。
 
次第に新人公演でも重要な役どころを演じるようになり、2003年『シニョール ドン・ファン』ではセルジィオ、『薔薇の封印』ではフィリップとクリフォード、2004年『飛鳥夕映え』では軽皇子、2005年『エリザベート』ではルキーニ、『Jazzyな妖精たち』ではティモシーに挑んだ。本役は、アルノー霧矢大夢、セルジィオ彩輝直、フィリップ大空祐飛、クリフォード霧矢大夢、軽皇子は貴城けいと瀬奈じゅん、ルキーニ霧矢、ティモシー大空。

「ルキーニ役と分かった時はうれしかったです。それまでやったことのない、色の濃い役をやりたかったし、本役では少年ルドルフを演じていましたから、全く違う役をやれて気持ちがよかった。ヒゲをつけたのもストレートにうれしかったですね」
 
歴代のルキーニ役者である轟悠、紫吹淳、湖月わたる、瀬奈じゅんらの存在は、彩那音さんにとってはまばゆくてならない。が、彩那音さんのルキーニは雑誌『歌劇』の新人公演評によると、元気で口跡も良く、本公演で少年ルドルフを演じているとは思えない変わり身で、実力を存分に証明している、と評価が高かった。今までの自分のイメージを覆すような悪役を演じたいという彩那音さんの欲求は、今も変わらず彼女の胸の中を占めている。
 
2006年は元旦から中日劇場公演『あかねさす紫の花』、そして3月17日からバウホールでの月組エンカレッジコンサートに出演し、3月20日付けで雪組に移籍した。

雪組生として初めての舞台が6月のバウホール公演『やらずの雨』。
「一八という太鼓もちも、やったことのない役。初見で、どうしようと。先生にご指導いただいて、何とか初日を迎えることができました。お稽古に集中できたのは、そのような状況に皆さんがしてくださったということもありますね。組替えのおかげで宝塚は一つだなと実感しました。私にとって1年ぶりの大劇場公演です。初めて新人公演を客席から観ます。すごく楽しみなんです」

『 堕天使の涙』で彩那音さんが演じているのは、マルセル・ドレフュスという卓越した才能を持つ若い音楽家だ。スランプに苦しむ音楽家エドモンの弟子だが、自身が書いた曲がエドモンの名前で発表されることになり、拳銃を手にする。

「マルセルは、とにかく素直で純粋でまっすぐな人。きっと人づきあいは下手なんだろうけれど。ピアノを弾く場面でプロの弾き方を真似できるように、映画などを見て研究しました」
 
堕天使ルシファーの挑発により欲望や嫉妬心が剥き出しになる人々の中で、音楽に一直線のマルセルの、才能の光がほとばしり出るような瑞々しい若さが魅力的だ。

「稽古場で、下級生にも上級生にも、うまくできない自分を見てもらうことで、新たな課題が見つかります。大きく言えば、宝塚に入って、素直になれたんじゃないでしょうか。これからもいろんなことを吸収して、もっと考え方が広がっていけばうれしいです。役を演じる上で、この人はどういう思いなのかと考える。それは、人の感情を倍、感じていることですよね。気がつくと家でもマルセルの台詞を喋っていたり。マルセルだけじゃなく、周りの人の心も考えている、そんな環境にいられることが、ありがたいなと思います」
 
誰か、のではない、自分の思う役の色を出したい、と願ってきた。目標は、包容力があって、大きくて、色気のある男役だ。少し気が早いが、次公演『エリザベート』の大舞台を期待せずにはいられない。

 

「堕天使の涙」でマルセルを演じる彩那音▲「堕天使の涙」でマルセルを演じる彩那音


※次号のフェアリーインタビューは、宙組の貴城けいさんの予定です。

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インタビュアー  名取千里(なとり ちさと)  
(ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局 /宝塚NPOセンター理事

主な編著書   
「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)   
「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)  
「仕事も!結婚も!」(恒友出版)


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