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-バックナンバー- 2004年11月号

 生粋の星組スター。だからといって今後も組替えしないとは決して言えないが、1995年3月に星組公演『国境のない地図』で初舞台を踏み、同年星組に配属になって以来、星組一筋だ。

 その真飛聖さんが男役10年目の今年7〜8月、宝塚バウホール公演『花のいそぎ』に単独初主演し、その成果を持って9月2日、宝塚大劇場公演『花舞う長安』〜玄宗と楊貴妃〜、『ロマンチカ宝塚'04』〜ドルチェ・ヴィータ!〜の稽古に入った。

「バウ主演を終えて、急に何かができるようになったということではありませんが、必死でもがきながら取組みましたので、無事に幕が下ろせたということが、自分の中では1番大きな収穫だったと思います」

 10月1日が初日の大劇場公演『花舞う長安』『ロマンチカ宝塚'04』は8月、星組によって博多座で初演され、真飛聖さん率いるバウ公演メンバーと宙組東京宝塚劇場公演『ファントム』に出演していた安蘭けいさんが、ゼロの状態から稽古に加わった。

「星組は5年前にも博多座初演の『我が愛は山の彼方に』がありました。その時、私は博多座にも出演し、今回と逆のパターンでバウホール公演メンバーを迎えて大劇場公演の稽古に入りましたが、当時の星組にとって初めてのケースでしたから、お稽古は結構大変でした。それに比べて今回は、確かに1度創り上げられたものにあとから加わるのでどうなるかなと思いましたが、上級生からも役者がちがうから好きなように動いていい、と言っていただきましたし、周りの空気がしっかりと出来上がっている分、作品の世界に入りやすかったですね」

『花舞う長安』で真飛聖さんが演じるのは、唐の武将・皇甫惟明だ。安禄山と対立し、命を落とすが、貴族で頭脳明晰な皇甫の存在は最後まで印象に残る。

「出演者がほとんど武将役なので違う色を出すようにと、演出の先生に言われています」

 

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