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-バックナンバー- 2003年4月号

 もちろん役作りの上で必要なのが、 自分を客観的に観察する、 もう一人の自分の目である。 初舞台の翌年に妖精ミーミル役に抜擢されてスターへの道を歩きはじめた花總まりさんが、 宝塚大劇場で初めてヒロインを演じたのが、 わずか研4の時。 当時は感じなかった 〔もう一つの目〕 が、 いつの間にか自分の中に自覚できるようになってきた。
「今振り返ると、 雪組にいた下級生時代は無我夢中で、 周りのことも自分のことも見えていませんでした。 でも、 周りが見えないくらい一生懸命に没頭してきたから、 何とかやってこられたんじゃないかなと思うこともあり、 その後、 自分が演じている姿が見えるようになった時には、 かえって集中できなくなってしまった様で、 自分がイヤで一時、 悩みました。 でも、 お稽古場はいろんなことが勉強できる場所なんですね。 無我夢中でお稽古している姿を鏡で見て、 もう一人の自分の目が必要であることの意味が少しはわかるようになりました」
 一方、 求められるイメージに近づくための厳しさがある稽古場も、 花總まりさんにとっては、 ある意味ホッとできる空間なのだそうだ。
「やはり一つの素敵な舞台を創ろうと思ったら、 そうそう楽に創れるものではありません。 自分一人だけがしんどいわけじゃなく、 みんな頑張っています。 トップの和央ようかさんは、 私が星組から組替えで雪組にきたばかりの頃の、 ドキドキ、 キョロキョロしながら、 カチンコチンだった姿もよく知っていらっしゃいます。 すごく恥ずかしいんですけど、 ずっとお世話になってしまっていますし、 たくさん助けていただいています。 これからも一作ごとに新しい出会いをして、 一生懸命に課題をクリアしていきたいです。 コンディションを保つ秘訣のようなものは特にありませんが、 ちょっとでも変だなと思ったら早めに対処します。 あとは気合と集中力で頑張ります。」
 気合と集中力が一つになったときは、 コンディションが少々悪くても、 頑張れるという。 宙組の汗の輝きが眩しくなる言葉だ。

 

 

 

 

 

インタビュアー
 名取千里(なとり ちさと)

  (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局
  /宝塚NPOセンター理事
  主な編著書
  「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)
  「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)
  「仕事も!結婚も!」(恒友出版)

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