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-バックナンバー- 2003年2月号

 宝塚歌劇を代表する華麗なショー『華麗なる千拍子2002』では、新娘役トップ舞風りらさんとの本格的な美しいデュエットダンスが観客のため息を誘った。フィナーレで背負った羽根の重さに、トップとしての責任の重さを感じたという。トップだけが背負うことのできる大きな羽根はとても重く、強い風圧を受けるのだ。
 すでに全国各地に感動の渦を巻き起こした雪組の新トップ朝海ひかるさんの、宝塚大劇場披露公演は、日本物とショーの二本立てだ。
 横尾忠則氏がデザインしたポスターを見て、アッと驚いた人もいるだろう。烏帽子をつけた朝海ひかるさんを見るのは初めてなのだから。朝海さんが朱天童子である藤原保輔と、その弟の保昌の二役に挑む『春麗の淡き光に』〜朱天童子異聞〜は、演出家・植田紳爾の新オリジナル作品。朝海ひかるの新しい魅力が座付作者の手によって引き出される、幸福なお披露目公演だ。
 「日本物は洋物に比べて、やりなれていないこともあり、自分にできるんだろうかという不安も最初はありました。でも、よく考えてみると自分は、日本物は演じるのも観るのも好きですし、集合日に植田先生が日本物は書でいうと楷書で洋物は草書、楷書ができて初めて草書が書ける、と言われた時に、そうだ、自分は楷書というお芝居に取組みたいと思っていたんだと思い出しました。所作も言葉の流れもとてもきれいな作品なので、それに負けないように、お正月公演らしい、明るく華やかな舞台を務めたいと思います」
 藤井大介の作・演出によるダンシング・レビュー『Joyful !!』では楽器をテーマに人生の喜びを歌い踊る。「他の舞台や映画を観ても男性に目が行く。素敵だなあと思ったことを、自分が宝塚で形にする楽しさがあり、男役はやめられません。新しい作品を楽しんでいただければうれしいですね」

 

 

インタビュアー
 名取千里(なとり ちさと)

  (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局
  /宝塚NPOセンター理事
  主な編著書
  「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)
  「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)
  「仕事も!結婚も!」(恒友出版)

 

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