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-バックナンバー- 2002年6月号

そのためには自分の引き出しをもっと増やさなければ。これを表現しなさいと言われた時に、同じ引き出しの中から近いものを出すのではなく、あっちこっちの引き出しから新しいものをどんどん取り出せるようになりたいと思っています」
 2002年5月、朝澄けいさんは『黄金のファラオ』の新人公演で2度目の主演をした。その直後、宝塚歌劇団に新専科制度が発足。各組の2番手クラスと3番手クラスが全員、組から離れて新専科に移り、公演ごとに出演者が決定することになった。2001年1月の星組公演『花の業平』『夢は世界を翔けめぐる』には専科から6名が出演し、その中には朝澄けいさんが初めて一緒に舞台に出る雪組や花組出身の上級生たちがいた。
「役をつくり上げる方法や、舞台での色の出し方がちがうんです。アドリブも多く、最初は戸惑いましたが、新たな発見があり、新鮮な刺激を受けました。自分がやってきた中で崩したくないものは残し、その上にプラスしていこうと。次はこうやろうと想像するのが楽しみになり、それが新しいパワーになっている気がします」
 2001年6月に全国ツアー『風と共に去りぬ』のスカーレット役で初めて女役を経験したことも、芝居をする楽しさにつながった。
 さて『プラハの春』で朝澄けいさんが演じているのは、軍事介入の犠牲になって命を落とす学生のミロスラフ。
 「実際にあった話なので、演じていてせつない思いがいっぱいあります。けれども役の人物たちは自分の信じる道を突き進んでいく力に溢れている。その力と、新しい星組が団結して進んで行くパワーとが、うまく出せたら良いなと思っています」
 併演のショー『LUCKY STAR ! 』では、バネの利いたダンスで、胸をスカッとさせてくれる。9月には宝塚バウホール初主演作品が待っており、今年は感性を磨いて新しい自分を見つけたいという朝澄けいさんの活躍が楽しみである。

インタビュアー
 名取千里(なとり ちさと)

  (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局
  /宝塚NPOセンター理事
  主な編著書
  「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)
  「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)
  「仕事も!結婚も!」(恒友出版)
 
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