タイプなので、10年という節目で初めてさせていただいたことがちょうどよかった。男役10年の経験が、私自身を舞台で楽しませるところまで引き上げてくれたのだと思います」
幸せです、と率直に話してくれる大空祐飛さん。上級生として下級生を引っ張る責任もますます重くなっている。
「そうなんですよね。『血と砂』のプログラムに中堅男役と紹介されていて、あ、しっかりしなきゃと。下級生の頃を思い出すと、今の自分くらいの学年の上級生の影響ってすごく受けるものなんですよ。
あとで後悔しないよう一つ一つの仕事を大事にして、自分が納得できる仕事の仕方を積み上げていくつもりです。そのためには日々の出来事、楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったことなどを素直に感じて心にきざみつけていきたい。そうすることで人間的な深みが出て、舞台の存在感が増すんだと思います。少し前までは自分のことで精一杯だったけれど、組の作品自体にものすごく責任があるんだなと考えるようになりました」
『ガイズ&ドールズ』の出演者は月組のメンバーだけだ。専科生は一人も出ない。
「専科の方たちがでていないので力不足ね、と言われたくないです。月組はお芝居が好きな人が多いし、与えられたものを楽しもうとするエネルギーがある。群衆芝居も個性的なのが月組の長所です。難題を与えられたときに月組が出すパワーが私は大好きなので、月組だけでがんばってもいいパワーが出せるねと言っていただけるところを目指したいです」
大空祐飛さんの役は、ネイサンの仲間の、ナイスリー・ジョンソン。ブロードウェイ・ミュージカルは『グランドホテル』『ミー&マイガール』『ウエストサイド・ストーリー』に出演しており、
4作目である。
「2001年は作品にも恵まれて、充実していました。仕事の直接の評価はその都度頂いてきましたが、自分に何が残ったかという成果については、これからお見せできなきゃいけないと思います」
宝塚歌劇88周年を迎えて、大空祐飛さんの活躍に一層、期待がかかっている。
インタビュアー
名取千里(なとり ちさと)
(ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局
/宝塚NPOセンター理事
主な編著書
「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)
「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)
「仕事も!結婚も!」(恒友出版) |
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