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-バックナンバー- 2001年12月号

「コスチュームものにはコスチュームものにしか出せない良さがありますが、 スーツは男役の原型としての美を、 立ち姿でも踊りでも求められる厳しさがあります。 今回の作品で、 宙組の下級生たちと一緒に男らしさにグッと磨きをかけたいと思います。 3組を回らせていただき、 宙組の元気とガッツのすごさが改めてわかった反面、 若い学年が多いのでドシッとした存在感に欠ける面もあるかもしれないってわかりました。 私も含めてもっと男臭さを磨いてトップの和央ようかさんに近づき、 和央さんに私たちの上に安心してのっかっていただけたら理想ですよね」
 宙組発足メンバーである湖月わたるさんの、 宙組に賭ける思いは特別なのだろう。
 来年のスケジュールはまだ未発表だが、 2002年は宝塚歌劇88周年の年。 湖月わたるさんの活躍は、 さらに飛躍するはずだ。
「今はいただいたものをこなすだけで精一杯なので、 ほかにやりたいことといってもすぐには思いつきませんが、 苦難を背負って屈折した人物には興味があります。 最終的にはバトラーをやってみたい。 男の中の男というか、 バトラーをやれたら一人前なんだろうなって思いますから」
 人気が出ても飾り気のない人柄で、 好感度バツグンのスターである。
「私は宝塚にいられること自体、 すごく幸せなんです。 音楽学校を受験する時、 父は高校を卒業するまで待ちなさいと言いましたが、 私は宝塚を好きな気持ちをあと3年間も我慢できない、 耐えられないと言って、 この世界に入りました。 父からは今、 周りの人に感謝しなさいと注意されます。 自分は何様だってことですよね。 感謝の気持ちをもてば、 困難な問題も不思議に解けていきますね。 親の言葉はいたいところをついていて1番、 堪えます」
 宝塚受験生へのアドバイスをお願いすると、 「宝塚が好きです、という目の輝きを先生にしっかりと伝えること」 と即座に言葉が返ってきた。 15歳で見つけた熱い夢が湖月わたるさんの胸の中で 燃え続けている。

インタビュアー
 名取千里(なとり ちさと)

  (ティーオーエー、日本広報学会会員/現代文化研究会事務局
  /宝塚NPOセンター理事
  主な編著書
  「タカラヅカ・フェニックス」 (あさひ高速印刷)
  「タカラヅカ・ベルエポック」(神戸新聞総合出版センター)
  「仕事も!結婚も!」(恒友出版)
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