清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館別館史料館「鉄斎の書」 9月22日~11月1日

清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館別館史料館「鉄斎の書」 9月22日~11月1日

富岡鉄斎(1836~1924)は文人画家であると同時に書家としても高い評価を得ており多くの作品を遺しています。鉄斎美術館では10年ぶりとなる書の展覧会が別館史料館で開催されます。初期の作品から晩年の豪放で力強い筆の作品、軸、額装、折本など鉄斎ならではの書の醍醐味が味わえます。

「書は人なり」を感じる鉄斎作品
京都に生まれ、京に居を構えた鉄斎は、老舗の屋号の扁額や神社仏閣の社号碑を請われ、今でも京の町では鉄斎の書が多く見られます。
嵯峨にある芸能の神で有名な車折神社の社碑も鉄斎の揮毫。扁額では「本家八ツ橋」の看板や「鶴屋吉信」の柚餅の看板(パッケージになり受け継がれている)などがあり、京都人に親しまれています。
会場には、34歳の作品『宗廟之詩書』(左上)も展示されていますが、若い頃の書は鉄斎の座右の銘「万巻の書を読み、万里の路を行く」を唱えた中国明末期の文人董其昌など先人の書に学んだ跡が見受けられます。
文人世界への憧憬が増していった晩年は金石学の書家でもある金冬心や蘇東坡など文人諸々家の研究を深めました。金冬心風の太い横画が特徴的な書『白居易問鶴詩書』(右上)は82歳の作品ですが、金冬心の影響を脱して一文字一文字が躍動感に溢れています。
85歳の『丈夫心事二行書』(展示作品)は自由闊達な筆で一気呵成に書き上げた鉄斎の書の到達点とも言える行書作品です。
『萬歳二大字書』(上中央)は大正天皇の即位の儀式、大嘗祭を祝して80歳の時に書いた作品で、象形文字のようでもあり、鉄斎の自在で多彩な美を見ることができます。
89歳の時、鉄斎は「弘法大師が居られたら書の話がよう合うだろう」と語ったそうですが、この言葉は一朝一夕にはならない学問への自信があったからこそではないでしょうか。
書風を変えながら晩年の個性を打ち出した生命力溢れる書風に至った筆あとに、作品が人格の一片と見た鉄斎の「書は人なり」を感じる味わい深い展覧会です。

清荒神清澄寺を訪ねて 鉄斎美術館別館史料館「鉄斎の書」 9月22日~11月1日

小企画展「鉄斎の書」
会期:9月22日(火・祝)~11月1日(日)  開館時間:9時30分~16時30分
会場:鉄斎美術館別館史料館 月曜休館(ただし10月12日は開館、13日休館) 無料

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