「マンガ日本の歴史」に代表される学習漫画は、歴史・経済・科学など子どもたちが学習する内容を、文章表現だけではなく漫画にすることで理解しやすくしたもので、最近では大人向けの学習漫画も書店に多く並んでいる。それにヒントを得て、追手門学院小学校では、子ども達が学校の歴史を楽しく学べるように、1998年の百十周年記念事業の一環として「まんが110年志」を作成することになった。明治21年、高島鞆之助先生が創設、一世紀を越え現在に至るまでを、編集委員会が以前に編纂された記念誌や文集の中から卒業生の面白いエピソードなどをとりあげ編集し、親しみやすいペンタッチの漫画家さいわい徹氏の手により、見てよく分かり読んで楽しい本ができあがった。
「まんが110年志」は現代の追手門小学生がタイムマシンに乗って学校の歴史をたどるという構成で、当時の児童と先生とのいきいきとした姿が描かれていて、一気に読みきれる楽しい本として子どもたちに好評。それぞれの時代を背景として成された教育の様子は大人にも読みごたえがあり、貴重な写真も数多く掲載され、卒業生からは懐かしい思い出がよみがえると声が寄せられた。そして今年、2008年の百二十周年記念事業の一つとして「まんが110年志」の復刻版を「まんが追手門の歴史」と表題を変え発刊、今後も描き加えて継続的に発行していく予定である。
追手門学院の小学3年生は、社会の副読本として「まんが追手門の歴史」を読み、昔の暮らしと自分達の生活を照らし合わせ、まわりの大阪の様子や日本の時代背景にも興味をおぼえる。社会科の先生を中心とした編集委員やさいわい徹氏の尽力により、「まんが追手門の歴史」は子ども達が歴史を好きになる最適のテキストとなったようだ。 |