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フェアリーインタビュー

悲劇の王妃アントワネットの人間として母としての姿をも描き出す

「オスカルは自分自身のことについてはほとんど考えていません。 台本でも原作の劇画の中でも、 フランスのため、 人のために、 自分は何ができるんだろうと悩み苦しんでいるんです」 池田理代子が、 劇画 「ベルサイユのばら」 の中で生み出した男装の麗人オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。

3月20日まで宝塚大劇場で上演中の 『ベルサイユのばら』 ―オスカル編―には、 実在したマリー・アントワネットやフェルゼンが全く登場しない。 オスカルという架空の人物を主役に据えて、 フランス革命を民衆の側から描いた作品なのだ。 そのオスカルを演じているのが、 雪組トップスター朝海ひかるさん。 「死ぬしかないような貧困生活の中で、 民衆がフランス革命を起こしました。 王妃様を守る近衛隊長を務めながらも、 オスカルは本当にフランス全体のためになっているのかと疑問を抱き続けます。 王宮の飾り物と言われる、 ぬくぬくした環境を飛び出して、 民衆と直接接する衛兵隊に転属したところから、 オスカル編の舞台が始まります」 王宮を裏切って民衆側についたのではない。 フランスの国全体がよくなるためにはどうしたらいいかと考え抜いた末の決断である。もしかしたらオスカルはフランスそのものの擬人化か、 と思わせる静かな迫力が、 朝海オスカルの真骨頂だ。

「人のために生きてきたオスカルが、"私はだれかに支えられたい、 寄りかかりたいという弱さを自らに許してきた人間だ"と、 アンドレに告白する場面があります。 オスカルに比べて私自身は甘い人間だなあと思いますね」


これまでに見たこともないような柔らかな表情で、 素顔の朝海ひかるさんは言う。
「オスカル役は、 男役でもないし女役でもない。 ある意味、 自分らしいのではないかと。 素の私は女っぽくないけれど、 男っぽいわけでもない。 オスカルの生まれながらの女性である部分も演じなければいけませんが、 軍人として育て上げられたオスカルは凛凛しくなければならない。 軍服を着た舞台上のオスカルは肩肘はっているんですけれども、 私自身は肩肘はらずに演じられたら、 というところでしょうか」

朝海ひかるさんの「オスカル」がみれる
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