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大阪市立阿倍野市民学習センターで活動する住吉古文書研究会が、「会津百姓騒動記」(国会図書館所蔵)を転写して全文を解読、冊子としてまとめ上げた。会員全員で難字に悩まされながらくりかえし読み、解読の過程では議論沸騰した事も楽しい思い出となる一冊に。 住吉古文書研究会は昭和59年に古文書同好会として始まり、平成6年より大阪市立阿倍野市民学習センターで毎月2回、会員8名で研究会を開いている。会員の一人中村さんが、出身地の越後に関連の深い会津の百姓騒動に興味をもち、会津若松を訪ねたり、郷土史研究家に会い資料を探していたところ、国会図書館所蔵の「会津百姓騒動記」を発見。江戸時代、会津若松の町奉行をしていた神尾大蔵房親が在職中とり扱った主な事件の顛末を記録したもので、臼川亭赤氏の角印が押捺されており、同氏が書き写したと推定される。これ迄殆ど他人の目に触れていない文書と思われたので、住吉古文書研究会として取上げ全文を解読し、初めて冊子としてあさひ高速印刷株式会社より出版した。原文をマイクロフィルムより転写し、解読文を掲載、A4判を横に使い読みやすい仕様になっている。 「会津百姓騒動記」は国会図書館所蔵なので写すのも容易ではなく、またマイクロフィルムより転写のため字が小さく所々不鮮明な文字もあった。住吉古文書研究会では、毎月2回、各1時間半、全員の輪読により毎回7〜8枚程度のペースで読みすすんだ。個性的な細字が連綿とし、草書・行書・かなが混在し読みづらい文書だったが、慣れるに従い解読のスピードも上がり、予定の4カ月で読み終えついに一冊の本に仕上げた。 会長の猪熊さんは「その後各方面に送付、国立国会図書館よりは資料問合せ番号に登録され、特に会津若松市立会津図書館からは、資料蔵書にする旨のお知らせがあり、我々同好会の者には有難い励みになっております」と話している。 住吉古文書研究会会員 猪熊健 横谷正光 松永典紀 大崎澄治 鈴木重孝 中村衛男 長尾武 富田允雄 |
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