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-バックナンバー- 20006年11月号 | ||||||||||||
戦時中のモノクロ写真を含め、80余点の写真を収めた写真集「伊藤三郎の眼」を完成させた伊藤さんは大正7年生まれの88歳。米寿の記念に、と思い切ってこれまで撮りためた写真を80枚に絞り込んで素晴らしい写真集に仕上げた。 |
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クラフトの箱に収められたA4判横型の写真集「伊藤三郎の眼」。そのタイトルが如実に示すように伊藤さんの眼が捉えようとした風景や人物がカメラを通して、その場の空気とともに切り取られている。 黒の地に5枚の写真がレイアウトされた印象的な表紙をめくると日中戦争中(昭和13年)の日本を捉えた写真に始まり、大阪駅前や難波の今昔、戦後のバラックから見る公団住宅の風景など歴史を語る18点のモノクロ写真が収められている。一時活動を中断する時期があり、昭和60年代からはカラー写真に変わる。写真集の中にはコンクールで受賞した作品も多く、中でも日本郵船主催のコンテストで特選に選ばれ、カレンダーにもなった「イエローカブ」や日本新聞協会「新聞のある風景」コンテストで奈良県最優秀賞を受賞し五大紙にも紹介されたインドの「異国の朝」は心に焼きつくスナップ写真。全日本写真連盟に所属した頃からスナップを撮り始め、中国奥地の少数民族の生活や日本の祭りの風景を伊藤さん独自の眼で捉えたスナップが写真集を飾る。 全日写連生駒支部の設立にかかわり、現在も顧問として撮影会や例会を精力的にこなしている。「80枚に絞るのは大変でしたが、思い切って写真集という形に残せたことに満足しています。安価なオンデマンド印刷も検討しましたが、やはり写真集ですから色に拘り、高精細印刷にしてよかったと思います。まだ、これからも撮り続けますし、今回写真集に収められなかったものも含め、第二弾にも挑戦したい」という伊藤さん。 旧制中学時代にベスト単玉カメラ(コダック製)で写真を撮り始め、途中中断はあったもののカメラを手放さず、今年米寿を迎え、写真に新たな意欲を燃やしている。
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