神戸一中四〇回同期生が卒業六十五周年にあたりクラス会誌「紫嶺」を刊行。寄稿に旧友の近況を知り、遺稿に亡き友を偲び、懐かしい写真は若き青春の日々を呼び起こす、かけがえのない記念誌に。
「質素・剛健・自重・自治」の精神のもと、共に学んだ神戸一中(現神戸高校)四〇回同期生が卒業六十五周年にあたり、クラス会誌「紫嶺」をあさひ高速印刷株式会社より発行した。「四し〇れい」をもじった表題の「紫し嶺れい」は神戸一中校歌にも歌われた「紫色をした六甲山の嶺」に因むもの。そして紫の表紙にはえる墨文字は宮川茂若さんの揮毫。故池田校長先生の漢文「報国の鐘」にはじまり、回想、同窓、追悼、写真もふんだんに掲載し、当時から現在に至るまで一中四〇回同期生の全てを凝縮したクラス会誌となった。
神戸一中四〇回卒業の紫嶺会は、節目の卒業四〇年目には記念誌「紫嶺」を創刊、是非次号も、との声にこたえ五〇周年に向け資金や原稿・写真を集めていたが、阪神淡路大震災など諸般の事情により発行に至らなかった。それが神戸高校同窓会監事でもある紫嶺会代表石村巖さんらの声かけにより編集を再開。原稿を依頼し印刷発注、とりわけ膨大な原稿の校正をすすめるのは傘寿を過ぎた編集者にとってご苦労だったと聞く。そしてそのがんばりが懐かしい学生時代を呼び起こすかけがえのない一冊に。
できあがった記念誌を送った同期生や遺族からは感謝の手紙が多数届き、再度想い出がよみがえる。献身的に編集の作業をすすめられた西本珠夫さんは「入学した頃は約250名だった同期生が今や80名を割りました。我々が今日まで生き永らえたのは彼らのおかげという気持ちをこめ、このクラス会誌をつくりました。記念誌発行は亡くなられた方々へのなによりの供養になったと思います」と語る。
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