くるみ幼稚園は2003年6月1日に創立50周年をむかえた。若き日に教会で出会った3人(宮本潔・宮本静子・欠下テル)が夢を実現させた幼稚園で、キリスト教精神を基礎とした小さくて暖かい家庭のような園は当初のまま。第1回卒園生でもある西田真知子先生は現在子どもたちに制作などを教えているが、園ではこの作品を一冊の本に残したいと、50周年記念に絵本をあさひ高速印刷株式会社出版部より発行した。B5判32ページで、心温まる可愛い表紙絵はくるみ幼稚園の園章にもなっている二匹のこりす。
著者の西田先生は彫刻科出身であるが、その活動の原点は自分のおうちのようなくるみ幼稚園だったという。家の事情で引越しをくりかえし海外にも移り住んだが、再び思い出の園で、身近なものを使って造形指導をはじめる。そのふんわりと暖かい作品を写真におさめていた園長の所佳子先生は、なんとか作品を本として残したいと考え、西田先生がずっとあたためてきたイメージをもとに絵本を作ることに。二匹のこりすがくるみ幼稚園へ遊びにやってきて、園児たちがクリスマスの作品を作っているのを見て自分たちもプレゼントを作るというお話。子どもの年齢に合わせて数種類のクリスマスオーナメントの作り方が紹介され、家でも絵本を見ながら作ることができる。
くるみ幼稚園では、大人になってから園を訪ねたり、幼少期の友達つきあいも続いているという。「はじめての社会生活で温かいものをいっぱいただきました」という西田先生の本の読み聞かせもまた、今の子どもたちを優しく育む。「たくさんの楽しい、素敵な思い出を下さった亡き3人の先生方への感謝の思いを込めてこの本を作りました。先生方の子どもたちへの篤き想いを、今の子どもたちに少しでも伝えていけたらいいなと思っています」
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