水泳界最高の戦いが、
初のアジア・福岡で開催
公式テーマソング、B'zの「ultra
soul」に乗せて、早くから盛り上がりを見せている「世界水泳選手権大会福岡2001」。水泳界では最大、
最高レベルとなる世界水泳が、 初のアジア地域、 福岡市で、 21世紀がスタートした今年の7月16日から開催される。
大会種目は、競泳、飛込、水球、シンクロナイズドスイミング、オープンウォータースイミングの5つ。第9回となる今大会は規模も過去最大で、約130の国と地域から選手・役員・関係者、総勢5000人が参加する。宝塚からはJSS宝塚スイミングスクール所属の3選手が、飛込みと競泳の日本代表選手として世界の強豪に立ち向かう。
寺内兄弟の息の合った、
シンクロ・ダイビングに注目
シドニーオリンピックで高飛込み5位、 今年5月の東アジア大会では3m飛板飛込みで金メダルに輝いた、
日本水泳界のエース寺内健さん。 飛込みの本場、 中国より帰化した馬淵崇英コーチに連れられ、
初めて上海で長期の合宿に参加したのが、 まだ小学5年の時だったというからビックリ。
「つらいだけで毎日泣いていました。 でもやるしかなかったので…」。
コーチが早くから期待を寄せていただけあって、
中学2年で国際大会初出場、 高校1年にはオリンピックの舞台を踏むなど、
早くから国際大会を経験し多くの実績を残してきた。
弟の佑さんは、 昨年のジュニア世界選手権の高飛込みで日本人初優勝、
今年の室内選手権でも高飛込みで優勝するなど、 最近特に注目を集めてきている。
佑さんにとって、 初のシニア国際大会となるはずだった東アジア大会は、
痛めていた右ひじの手術で残念ながら出場辞退。 「でも、 目標としてやってきたメインの世界選手権には出られるので、
ケガがあの時期で良かったとプラスに考えています」 と前向きだ。
シドニーオリンピックより正式種目に入ったシンクロナイズド・ダイビング。
兄弟ならではの息の合った演技で4月の室内選抜で初優勝、
7月の世界水泳でもメダルの期待がかかっている。 目つきがキリリと鋭く、
「客席の声援がパワーになる」 という兄・健さんと、 温和で大らか、
「知り合いが応援に来ると、 うれしい反面緊張する」 と話す弟・佑さん。
顔は似ているけれどタイプは違うのかな?と思えば、 「ぼくらは2人とも、
板に乗ったらすぐに飛び込むんです」 と、 演技は似ていてやりやすいとか。
2人が共にタイミングを計ると逆にズレてしまうので、 佑さんの 「いっせいの〜で〜」
の掛け声に健さんが合わせる。 「お兄ちゃんなので 『そっちの演技が悪い』
っていうことも、 気を遣わずに言えていいです」
インディーズの音楽について語り合ったり、一緒に買い物に行ったりと、趣味も共通
する仲の良さで、ほほえましくもある。
「自分では才能があるとは思ってない。 足りない部分を見つけて、 練習をやればやるほど自信になり、
前より良い演技ができると思います。 国内で開催されるチャンスなので、
ぜひ応援してください」。 健さんが凛々しく語ってくれた。
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